第2622回例会 卓話 青少年交換プログラムについて

担当:新世代奉仕委員長 前島憲司君

講師 国際ロータリー第2780地区
2014-15年度青少年交換委員会委員長
髙木 浩一様(ふじさわ湘南RC)


【青少年育成プログラムの概要】
 RIが提唱する青少年育成のプログラムにはインターアクト(14~18歳対象)、ローターアクト(18~30歳対象)、RYRA(14~40歳対象)、青少年交換(15~17歳対象)の4つが有ります。
2780地区の近年の状況は以下の通りです。
①インターアクト
現在12の高校でクラブ活動としてインターアクトクラブが認証されている。今年度も昨年度に続き第3Gで新たなクラブが認証される予定。
②ローターアクト
現在4つのクラブがローターアクトクラブのスポンサーを担っている。近年クラブ数会員数共に減少傾向にあるが総勢36名のローターアクターが活動している。
③RYRA
残念ながら当地区ではRYRAの制度に不参加の状態が10年近く続いている。
④青少年交換
毎年各グループ1名、合計9名の学生を派遣し受入れている。対象国はアメリカ・カナダブラジル・台湾・オーストラリア・ロシア・スウェーデン・フランスの8か国。

【青少年交換プログラムの生い立ち】
青少年交換プログラムは1927年に元々知り合いであったロータリアンが子供を1年間預け合った所から始まりました。1950年代になると相互交換型で長期的かつ平和学習を目的とした交換制度が人気を博し、現在の青少年交換の原型へと発展していきました。
そして1972年、国際ロータリーの理事会で価値ある国際的な活動として、世界中の地区に青少年交換を推奨することを決議しました。今日では毎年9,000人近い学生が海外に渡り、およそ80か国で地区やクラブのサポートを受けながら生活し勉学に励んでいます。日本からは200人前後の学生を50か国の地区に派遣しています。RIの中でも常設の委員会を持つ重要なプログラムという位置づけにあります。

【地区青少年交換委員会の役割】
地区ではこの制度が安全にかつ円滑に進行するよう、相手先の地区選定、ホストクラブとの連絡、出入国に関する書類のやり取り、ビザの申請など様々な手続きをサポートしています。
また受入れ学生が通学する高校、ホストファミリーに対しこの制度の説明をする際もお手伝いをいたします。更に出国前の派遣学生、来日学生に対してはROTEXと共に毎月オリエンテーションを開催し、親善大使としての意識の高揚を図り、言語や文化の理解が深まるようアドバイスをしていきます。

【交換学生に関するルール】
①留学期間(11か月以上・一年未満)を高校生として相手国の高校に通学できること。
②派遣国での学力試験・面接に合格し地区ガバナー・委員会が認めた学生であること。
③青少年交換プログラム、ロータリーについて理解をしていること。
④4Dルール(No Driving、No Drinking、No Dating、No Drug)を理解し遵守すること。
留学途中であっても、ルールや法律に違反した場合は強制送還とします。また病気や怪我を負った場合も相手クラブやご両親と協議した上で留学を中止する場合もあります。

【費用負担について】
受入れ学生を担当するホストクラブに対し地区からは半期ごと(9月・2月)に助成金を支給します。
2013-14年では45万円ずつ実施されました。この金額は学校への学費、教材費、制服代、修学旅行費などの必要経費、ホストファミリーへの食費補助・謝礼金、学生へのお小遣い10,000円、通学費、携帯電話・パソコンでの通信費(3,000円まで)、オリエンテーションの参加費用などに使います。しかし年間90万円では足りないことが多いので、近年ではホストクラブの負担を軽減する目的でグループが支援金を拠出する方法を取っているようです。
一方、学生側の負担は往復の航空運賃、指定の留学生保険(12万程度)、ブレザー購入費、派遣先での旅行費用、となっています。(別紙参照)

【主な年間行事予定】
青少年交換プログラムでは1年を通して様々なプログラムが組まれています。委員会主催のオリエンテーション・平和学習旅行・歌舞伎鑑賞・富士登山等の他にROTEX主催のスポーツ大会・小田原/鎌倉散策・茶道教室・着付け教室・座禅・お料理などがあげられます。(別紙参照)    
【今後の課題】
会員の高齢化、会員数の減少に伴う地区予算の減少などの理由から、青少年交換プログラムの縮小を唱える意見が出てきます。2780地区では近年9グループで9人の学生を派遣し受け入れる方法を継続していますが消極的な意見もあるようです。私は昨年から3回、全国青少年交換交換委員会に参加し他地区の委員長やガバナーエレクトと意見交換をしてきました。余り人気のない地方では派遣を申し込む学生がいても交換に応じてくれる国がなくプログラムが成立しない、派遣した学生の大半が大都市の大学に進学するのでROTEXの制度が成り立たない、といった多くの問題を抱え大変な苦労をされているようです。皆さん神奈川県に位置する我が地区が羨ましいと言っていました。私はこの恵まれた環境にあるわが地区が、ただ面倒だと言って事業縮小を唱える意見には反対です。諸問題を解決する方法を考え、今の形態を維持する事をお願いして参りたいと思います。どうか皆様のご理解とご協力をお願いいたします。


  
クラブ会報・IT委員会 2014年 9月 02日 火曜日 | | 例会