第2716回 例会 「日本生命保険相互会社 ~課題と今後について~」
担当:近藤憲司君
生命保険会社と言えば、多くの場合、セールスレディをイメージされると思うが、小職が属している「リーテイル部門」の他に、「ホールセール部門」「資産運用部門」「海外事業部門」「コーポレートスタッフ」がある。日本生命の資産運用総資産は62兆2830億円(2015年3末時点)。
【取組(活動)・サービス】
ご契約内容確認活動といい、1年に1度はご契約内容の確認を実施。
各種キャンペーンや、「ずっともっとサービス」等、お客様とのコンタクト量を増やす仕組みを講じている。また、「ベストドクターズサービス」や介護のサービス等、保険以外のサービスも好評を頂いている。
【取り巻く環境と戦略】
人口・保険加入率ともに減少傾向であり、本社を取り巻くマーケットは縮小傾向。また将来の収支見通しも、人口の減少・少子高齢化に伴い、収益性の高い40・50代の分厚い被保険者群は減少。これにより収支は今後更なる減少局面を迎える。また他社生保が多様な形態でシェアを拡大する中、本社シェアは約10%であり、縮小傾向。
一方で、世界の生命保険マーケット成長率は、オセアニア+73.0%、中南米+72.5%、アジア+56.3%で、収入保険料推移は、日本を除くアジアが、日本を抜いて急成長を続けている。
本社は、海外保険事業を含むグループ事業の強化も実施しつつも、国内保険事業の強化にて、国内No.1 プレゼンスの確立を目指す。2015年の主な取り組みは下記の通り。
「㈱ライフサロンへの出資」「㈱ライフプラザパートナーズへの出資」「㈱ニドリHDとの店舗型乗合代理店の共同運営」「㈱NTTドコモとの事業提携」「三井生命との経営統合」「ナショナルオーストラリア銀行の生保事業買収に合意」。国内保険事業強化に向け、具体的には、高齢層と若年層の取り込みを強化。高齢層には、相続税の「生命保険非課税枠(500万×法定族人の数)」や、生前贈与をご提案。また、学資保険販売促進にて、若い被保険者層の取り込みを狙う。
【東日本大震災で学んだこと】
約38万人の安否確認対象顧客数(岩手・宮城・福島県のお客様)のうち、安否確認済率「99.9%」が私達の胸にいつもある。たくさんのエピソードを通じて、やはり「Face to Face」の活動や、人と人とのつながり・お客様との関わりを大切にし、一層お役に立てるよう努めていきたい。